일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

横光 利一의 機械・春は馬車に乗って(はるはばしゃにのって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,492자 · 156화면

아오조라 문고

は一番先頭に立って歩いていった。彼は歩きながらも、いま一人ここを歩いていたのでは今以上の満足を感じないであろうと思った。彼は幾度も京からこの道を通ったにちがいない伝教が、このあたりで、どんな満足を感じようとしたのかと、ふと雪路を歩いて浮ぶ彼の孤独な心理について考えてみた。伝教とて一山をここに置く以上は、衆生済度の念願もこのあたりの淋しさの中では、凡夫の心頭を去来する雑念とさして違う筈はあるまいと思われた。しかし、そのとき、定雄の頭の中には、京都を見降ろし、一方に琵琶湖の景勝を見降ろすこの山上を選んだ伝教の満足が急に分ったように思われた。それにひきかえて、今の自分の満足は、ただ何事も考えない放心の境に入るだけの満足で良いのであるが、それを容易に出来ぬ自分を感じると、一時も早く雪路を抜けて湖の見える山面へ廻りたかった。

間もなく、今まで暗かった道は急に開けて来て、日光の明るくさしている広場へ出た。そこは根本中堂のある一山の中心地帯になっていたが、広場から幾らか窪みの中にある中堂の廂からは、雪解の滴りが雨のように流れ下っていた。

「やっと来たぞ」定雄は後ろの千枝子と清の方を振り返った。