후리가나로 읽는 일본 고전
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
横光 利一의 機械・春は馬車に乗って(はるはばしゃにのって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,492자 · 156화면
罌粟の中
罌粟(けし)の中
横光利一
しばらく芝生の堤が眼の高さでつづいた。波のように高低を描いていく平原のその堤の上にいちめん真紅のひな罌粟(げし)が連続している。正午にウイーンを立ってから、三時間あまりにもなる初夏のハンガリヤの野は、見わたす限りこのような野生のひな罌粟の紅(くれない)に染まり、真昼の車窓に映り合うどの顔も、ほの明るく匂(にお)いさざめくように見えた。堤のすぐ向うにダニューブ河が流れていて、その低まるたびに、罌粟の波頭の間から碧(あお)い水面が断続して顕(あらわ)れる。初めは疎(まば)らに点点としていた罌粟も、それが肥え太ったり痩(や)せたりしながら、およそ一時間もつづいたと思うころ、次第に密集して襲い来た、果しない真紅のこの大群団であった。梶(かじ)はやがて着くブダペストのことを、人人がダニューブの女王といってきたことをふと思い出した。多分、ウイーンの方からこうしてきた旅人らは、このあたりの紅の波により添って流れるこの河水を眺(なが)め、自然に口からのぼった言葉だろう。こんな風景は欧洲のどこにも見なれなかった眺望(ちょうぼう)だった。