후리가나로 읽는 일본 고전
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
横光 利一의 機械・春は馬車に乗って(はるはばしゃにのって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,492자 · 156화면
「来ないのに呼んだのですか」と彼は笑って訊ねた。
「この席へなら来ます」
「しかし、呼んだのは僕らだけじゃありませんか」と彼は少し不服も出た。
「もう来ることでしょう」
と、ヨハンはそこが外人のこととて、日本語の遣(や)り取りの機微も分らぬらしく、至極のどかなものだった。梶には、このヨハンの大きな顔は舌のないハンガリヤの獅子に似て見えた。そしてこの席へなら踊子の来るという意味は、このホールに限り来るという意味か、それとも、日本人専門の客を扱うヨハンの席へは必ず来るという意味か、そこが梶には分らなかったが、自信をもってそう云う落ちつき払ったヨハンの態度には、明るさが増して来た。もしこのホールに限り日本人以外の所へも来るものなら、他の客たちも呼びとめぬ筈はない、市づきの踊子らの揃った美しさだった。――しかし、梶には、この街に於(お)いてのヨハンの特殊な地位を考えぬ以上は、まだそこに呑み込めぬものが残って来た。ヨハンの人品、彼の学殖、そして、彼の通るときに知人の彼へ示す挨拶の仕方などを察するとき、梶には、ヨハンがただ者でない名を秘めた人物だということだけは早くから感じられた。