일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면

아오조라 문고

稽古を終えて、校門を出ると、すぐ前の昔の城址に、こんもりともりあがっている樟の青葉がしずかな輝きを彼の眼に送った。彼は、何かこう、胸の中がすきとおるような気持だった。道場で流した汗は、まだ流れつづけていたが、暑い日ざしもさして苦にはならなかった。

彼は朝倉先生のことを思いながら、歩いた。先生の一つ一つの言葉よりも、先生の人がらからうけた感じが、彼の心を強くとらえていた。

歩いて行くうちに、彼の連想は、つぎつぎに時間を逆に進んで行った。白楊の蔭、銃器庫の裏、三つボタン、赤い日傘、そしてお浜との柵をへだてての対話、そこまで行くと、彼の足どりはやにわに早くなった。

彼は、しかしそれからまだ一丁とは行かないうちに、ふと、何かにぶっつかったように立ちどまった。そして、すぐまた歩き出したが、その一歩一歩は何かにひっかかってでもいるかのようにのろかった。彼は、これまで彼の心にかつて浮かんだことのない、ある妙な考えに捉われはじめていたのである。

(自分がきょう朝倉先生を知ることが出来たのは、室崎のおかげだ。朝倉先生は彼を無慈悲だと言ったが、その無慈悲な彼が、自分をあのりっぱな先生に結びつけてくれたのだ。