후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
一九 夜の奇蹟
「一晩泊めていただくつもりで、あがりましたの。」
彼女は、来ると、すぐ、そう言っておきながら、夕飯ごろになると、お鶴に向かって、
「でも、やっぱり、おいとましましょうかねえ。」
などと言って、お祖母さんとお芳との顔色を読んだりした。それでも、俊亮が、
「何を言うんだ。次郎ががっかりするじゃないか。あすは日曜だし、次郎も、一日、うちにいるんだぜ。」
と、叱りつけるように言うと、変に浮かない顔をしながらも、結局、泊って行くことにしたのである。
夕食の食卓は、わりになごやかだった。以前だと、本田の家で、お浜たちがみんなと同じ食卓につくことなどめったになかったのだが、きょうは俊亮の言いつけもあって、二人は、むしろお客あつかいにされた。
お浜は、しかし、そんなことよりも、やはり次郎の皿の中のものが気になった。彼女は、食卓につくと、すぐ、じろりと兄弟三人の皿を見まわした。そして、べつにわけへだてがあっている様子も見えなかったので、やっと安心したように箸をとった。
「次郎ちゃん、今夜は、乳母やと二階に寝ろよ。僕は階下に寝るから。」
恭一は、夕食がすんだあとで、そう言って自分の夜具を二階から座敷に運んだ。