일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면

아오조라 문고

従って彼は、自分をさほどに弱い人間だとは思っていず、たとえば白鳥会などで、自分が自分に捉われていることに気がついたり、自分を制しきれないでつい荒っぽい言動に出たりしても、それを自分が弱いせいだとは少しも考えていなかったのである。彼は、弱い人間の標本として、よく宝鏡先生を思いうかべていた。そのために、あとでは、却ってある意味で先生に心をひかれるようにさえなったくらいなのである。しかし、今の彼の気持は、全くべつだった。

(人間は弱い。宝鏡先生も弱いが、自分もそれに劣らず弱い。もともと強い人間なんて、この世の中には一人もいないのではないか。かりに強い人間がいるとしても、それはその人間が強いのではなくて、何かもっと大きな力がその奥に仂いているからにちがいない。)

彼の考えは、いつの間にか神というものにぶっつかっていた。それは、彼がたった今拝んだ天神様とは限らない、眼に見えぬ秘密な力だった。むろん、それが彼の胸深く信仰という形をとるまでには、まだ非常に距離があるらしかった。しかし、それは決して概念の戯れではなかった。彼は少くとも真に彼自身の弱さを知り、心からへり下りたい気持になっていたのである。