후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면
この先生は、はじめての教室に出ると、きまって、先す自分の姓名を黒板に書き、それに仮名をふった。それによると「トミテル・ミチトシ」というのが、正しい読方だった。しかし、生徒たちの間では、誰一人としてそんなややこしい読方をするものがなく、陰ではいつまでたっても「ホウキョウ・ホウシュン」としか呼ばなかった。先生にしてみると、「ホウキョウ」でもいいから、せめて姓だけにしてもらうと、それでいくぶん我慢が出来るのだったが、生徒たちの方では、その下に「ホウシュン」をつけないと、感じがぴったりしないらしく、面倒をいとわないで「ホウキョウ・ホウシュンが……」「ホウキョウ・ホウシュンが……」と言うのだった。
しかし、何よりも宝鏡先生を神経質にさせたのは、自分に「彦山山伏」という綽名があるのを知ったことだった。先生の郷里が大分県の英彦山の附近であることはたしかだったし、また、前身が山伏だったとか、少くも父の代までは山伏稼業だったとかいうことが、どこからかまことしやかに伝えられていたので、先生は、山伏という言葉がちょっとでも耳に這入ろうものなら、その日じゅう怒りっぽくなるのだった。