후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면
時おり、誰かが奥さんに呼ばれて、力のいる仕事の手伝いをさせられたり、買物に行く間の留守居を頼まれたりすることがあったが、呼ぶものも、呼ばれるものも、まるで家族同様の気軽さだった。次郎には、そうした空気が、何か珍らしくもあり、嬉しくもあった。
奥さんには子供がなかった。女中もつかわず、全く先生と二人きりだったが、用がない時には、ちょいちょいこの部屋にやって来て、「今、何を読んでいらっしゃるの?」とか、「あたしこの本、面白いと思うわ」とか、みんなの邪魔にならない程度に簡単な言葉をかけ、自分もいっしょになって何か読み出すといったふうだった。小床には、いつも何か花が活けてあり、また卓の上にも一輪差が置いてあって、花がしおれないうちに必ず新しいのと取りかえられていたが、そうしたことは、すべて奥さんの心づくしであった。
いつ来て見ても変っていないのは、掛軸と額だった。掛軸には、和歌らしいのが、むずかしい万葉仮名で、どこからどう読んでいいかわからないように書いてあり、額には漢字が五字ほど、これも読みにくい草書体で書いてあった。次郎には、むろん、何が書いてあるのやらさっぱりわからなかった。