후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,223자 · 320화면
」
「えっ!」
「実は、家だけはそうもなるまいと考えてたんだが、商売をやるとなると、その資本が要るんでね。」
「貴方、大丈夫? やけくそにおなりになったんではありません?」
「そうでもないさ。」
「それで、お母さんには、もうお話しなすったの。」
「いいや、まだ話さん。お母さんはどうせ反対するだろうからな。」
「あたし、何だか恐くなりましたわ。」
「実はおれも少し恐い。しかし、このままでこの村にいたんでは、どうにもならんからな。」
俊亮とお民とは、子供たちが寝床につくのを待って、ひそひそとそんな話をはじめた。寝間はすぐ次の部屋だったが、次郎はまだ寝ついていなかったので、ついそれを聞いてしまった。そして、父が太っ腹過ぎて困るとか、お祖父さんが死んだら、あとが大変だとか、そういった話を、これまでにちょいちょい耳にはさんでいたので、彼はそれと結びつけて、今夜の二人の話をおぼろげながら理解した。
彼は、しかし、父が商売人になるのを、大して悪いことだとは思わなかった。そして、この村の荒物屋や、薬屋などの様子を思い浮かべて、頭の中で、自分をそれらの店の小僧に仕立ててみたりした。