후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,223자 · 320화면
そろそろ夏が近づいて来た。ある日、彼が学校から帰って来て、子供部屋になっている二階に上ろうとすると、座敷の方から、思いがけない俊亮の声が聞えて来た。彼は、はっとして梯子段を上りやめて、そっと声のする方をのぞいてみた。すると、そこには、老夫婦に、謙蔵、お延、俊亮の五人が真面目くさった顔をして坐っていた。彼らは、次郎が梯子段を上る音で話をやめ、一せいにこちらを見たらしかったが、誰の顔も石像のように固かった。ひさびさで逢った俊亮ですら、じっとこちらを見ているだけで、言葉をかけそうな気配さえ見せなかった。
次郎は、どうしていいかわからなくて、しばらく梯子段に釘づけにされたように突っ立っていたが、みんなが彼の姿の見えなくなるのを待っているとしか思えなかったので、不安な気持に襲われながら、そのまま二階に上って行ってしまった。
二階に上ると、彼はいつになく机の前に坐って、教科書をひろげた。むろん勉強する気には少しもなれなかった。彼はぼんやりと教科書を見つめながら、耳を階段の下にすました。
話し声は、しかし、まるで聞えなかった。いつもの彼なら、廂から庭木を伝ってでも下におりて盗み聞きするのだが、今日は不思議に手足まで固くなったような気がして、机の前に坐ったきり、小一時間も動かなかった。