후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,223자 · 320화면
ただ次のことだけは言っておいてもいいように思う。それは、もし私が、子供をもった親たちを集めて、何か話をしなければならない場合があるとしたら、私は話をする代りに、默ってこの物語を差し出したい気になるだろう、ということである。
ところで、この物語が、まだ原稿のままだった頃、幾人かの知人にそれを読んでもらったら、その一人は、読んで行くうちに、「これは愉快だ。」と言って、しばしば哄笑した。私は淋しかった。他の一人は「これは君の自叙伝なのか。」と、根掘り葉掘り、詮議しはじめた。私は苦笑するよりほかなかった。更に他の一人は、「次郎は変質者だね。」と言った。これには私はかなり考えさせられた。そして、もしも次郎が、その人の言うとおり、変質者として描かれているならば、彼を広く一般の親たちに引きあわせるのは、大して意味のないことだと思いはじめたのである。
で、その後、私は何回となく原稿を読みかえしてみた。しかし、私自身には、次郎が変質者であるとは、どうしても思えなかった。次郎は、誰が何と言おうと、他の多くの子供たちと同様に、食物をほしがり、大人の愛をほしがる子供に過ぎないのである。