후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,223자 · 320화면
全体、恭一にせよ、次郎にせよ、何でわざわざこんな家を選んで預けられたのかというと、それは、母のお民が、子供の教育について一かどの見識家だったからである。彼女は、槍一筋の武士の娘であった。そして幼いころから幾十回となく、孟母三遷の教というものを聞かされて、それになみなみならぬ感激を覚えていた。で、自分に子供が出来たら、機会を見つけてそれに似たようなことを実行してみたいと、かねて心に期していたのである。
こうした抱負をもった彼女にとって、お浜一家が学校の中に寝起きしているということが、大きな魅力にならないわけはなかった。この魅力の前には、校番の部屋が狭くて不潔であろうと、お浜本人が、以前三味線の門付けをしていた女であろうと、また、彼女の亭主の勘作がどこかの炭坑稼ぎにあぶれて、この村に流れこんで来た者であろうと、そんなことはまるで問題ではなかったのである。
そこで、三人の日向ぼっこの話にもどる。
次郎は蓆の中央に殿様のように座を占めて、お兼とお鶴とが、左右からつぎつぎにブリキの皿に盛って差出す草の実や、砂饅頭に箸をつける真似をしていた。しかし、もう同じような遊びを小半時も続けていたので、少し厭きが来たところだった。