후리가나로 읽는 일본 고전
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
柴田 流星의 残されたる江戸(のこされたるえど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,677자 · 80화면
なぞと母親もまだ何かに手を出しそう。
「僕なんかお嫁に行くんじゃなし、大丈夫だァ」と男の児の手はなお残りの団子に及ぶ。蓋し江戸ッ児には花にも月にも団子なるべきかな。
二十六夜の月待ちは、鬼ひしぐ弁慶も稚児姿の若ければ恋におちて、上使の席に苦しい思いの種子を蒔く、若木の蕾は誘う風さえあれば何時でも綻びるものよ、須磨寺の夜は知らずもあれ、この夜芝浦、愛宕山、九段上、駿河台、上野は桜ヶ岡、待乳山、洲崎なんど、いずれ月見には恰好の場所に宵より待ちあかして、更くるに遅い長夜も早や二時を過ぎ、三々五々たる人影いよいよ群をなして、かかる砌にも思う人は出来るものぞとか、月いでて後の帰るさに、宵までは見ず知らずの男と女とが、肩をつらねて語りつつ行くもおかし。さても都人は気楽なとムザとは嗤いたもうな、江戸ッ児はザックバランでもそうした出来心の恋にはおちず、前々に月待ちのこの夜落いる箇処の約束はしても、今までに見も知りもせぬ男おんなのいたずら事、大方は都へかりそめに来ている人々の鎮守の祭りに振舞うと一斑で、かかるは吾儕の苦々しくおもうところだ。
何がさて、今の若き人々の飯ごとなる恋というもの、江戸ッ児にはただ危っかしくてあぶなっかしくてよそごとながらいろいろ思うとは、頭の禿げた江戸の残党が口癖のようにいうこと。