후리가나로 읽는 일본 고전
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せっしょうだにのおにび
殺生谷の鬼火
山本 周五郎
山本 周五郎의 殺生谷の鬼火(せっしょうだにのおにび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,545자 · 19화면
それは斯うである、……椙原家はもと仙台の伊達家の家臣であったが、今から凡そ二百五十年ほど以前に、蝦夷地開拓のため藩から選ばれて渡島し、間もなく同行の者たちの多くが引揚げた後も、椙原家だけは留って遂に土着し、今日に到ったのである。その開拓時代に、彼等は恭順を示さない土人達を、百二三十人集めて斬殺し、その死体を例の沼地へ投込んだと云う。――殺生谷と呼ばれるのはそのためで、それ以来其処には殺された土人たちの怨霊が籠って、青い鬼火が燃えたり、幽霊の叫びが聞えたり、色々と奇怪な事が起るのであった。
以上は古くから口碑に遺った伝説である、然し鬼火の燃えるのは事実だし、道に迷って踏込んだ者が、殺生谷の泥深い底無し沼へはまりこんで、惨めな死を遂げる事も少くはない、――村の人たちは是を、
「殺生谷の怨霊が人を引込むのだ」
と云って、子供でも怖れて近寄らない。
ところが丁度ひと月ほど前の事であった。椙原家の小作人の一人が、畠仕事に後れて夜になってから戻る途中、殺生谷の近くで恐ろしく大きな鬼火に遭った。それは奇妙な獣のような形をした青白い火の玉で、夕闇の中を真直に飛んで来てその男の眼前でぴたりと停まり、ぐるぐると二三度舞ったかと思うと、矢のように殺生谷の方へ飛去って行った。