일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

岡本 かの子의 母子叙情(ぼしじょじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,355자 · 153화면

아오조라 문고

しかし、この都にやや住み慣れて来ると、見るものから、聞くものから、また触れるものから、過去十余年間の一心の悩みや、生活の傷手が、一々、抉り出され、また癒されもした。巴里とはまたそういう都でもあった。

かの女は巴里によって、自分の過去の生涯が口惜しいものに顧みさせられると、同時にまた、なつかしまれさえもした。かの女はこの都で、いく度か、しずかに泣いて、また笑った。しかし、一ばんかの女の感情の根をこの都に下ろさしたのは、むす子とマロニエの花を眺めたときだった。かの女の心に貧しいときの譫言が蘇った。

「あーあ、今に二人で巴里に行きましょうね。シャンゼリゼーで馬車に乗りましょうねえ」そして今はむす子の声が代って言う、「お母さん、とうとう巴里へ来ましたね」そうだ復讐をしたのだ。何かに対する復讐をしたのだ。そしてかの女に復讐をさして呉れたのはこのマロニエの都だ。

こういう気持からだけでも、十分かの女は、この都に、愛着を覚えた。よく、物語にある、仇打の女が助太刀の男に感謝のこころから、恋愛を惹起して行く。そんな気持だった。けれども、かの女は帰国しなくてはならない。