일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

岡本 かの子의 母子叙情(ぼしじょじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,355자 · 153화면

아오조라 문고

以前からかの女は、ずっと外出に自動車を用いつけていたのだが、洋行後は時々バスに乗るようになった。窓から比較的ゆっくり街の門並の景色も見渡して行けるし、三四年間居ない留守中に、がらりと変った日本の男女の風俗も、乗合い客によって、手近かに観察出来るし、一ばん嬉しいのは、何と云っても、黒い瞳の人々と膝を並べて一車に乗り合わすことだった。永らく外国人の中に、ぽつんと挟って暮した女の身には、緊張し続けていた気持がこうしていると、湯に入ってほごれるようだった。右を見ても左を見ても、日本人の顔を眺められるのは、帰朝者だけが持つ特別の悦びだった。

わけてかの女のように、一人むす子と離れて来た母親に取って、バスは、寂寥を護って呉れる団欒的な乗りものだった。この点では、電車は、まだ広漠とした感じを与えた。

バスは、ときどき揺れて、呟き声や、笑い声を乗客に立てさせながら、停留場毎に几帳面に、客を乗り降りさせて行く。山の手から下町へ向う間に二つ三つ坂があって、坂を越すほど街の灯は燦き出して来る。そして、これが最後の山の手の区域と訣れる一番高い坂へ来て、がくりと車体が前屈みになると、東京の中央部から下町へかけての一面の灯火の海が窓から見下ろせる。