후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
岡本 かの子의 母子叙情(ぼしじょじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,355자 · 153화면
と思った。しかし「珍しい女だ」とも思った。そして、かの女のこのロマン性によればこそ、随分億劫な世界一周も一緒にやり通し、だんだん人生に残り惜しいものも無くなったような経験も見聞も重ねて、今はどっちへ行ってもよいような身軽な気持だ。それに較べて、いつまでも処女性を持ち、いつになっても感情のまま驀地に行くかの女の姿を見ると、何となく人生の水先案内のようにも感じられた。そこでまた柳の根方に片足かけ、やおら二本目の煙草を喫ってから、見残した芝居の幕のあとを見届ける気持で、半町ほど距った人混の中のかの女を追った。
銀座の西側に較べて東側の歩道は、東京の下町の匂いが強かった。柳の青い幹に電灯の導線をくねらせて並んで出ている夜店が、縁日らしいくだけた感じを与えた。込み合う雑沓の人々も、角袖の外套や手柄をかけた日本髷や下町風の男女が、目立って交っていた。
人混を縫って歩きながら夜店の側に立ち止ったり、青年の進み方は不規則で乱調子になって来た。そして銀座の散歩も、もう歩き足り、見物し足りた気怠るさを、落した肩と引きずる靴の足元に見せはじめた。けれども青年はもっと散歩の興味を続け、又は、より以上の興味を求め度いらしく、ズボンのポケットへ突込んだ両手で上着をぐっとこね上げ、粗暴で悠々した態度で、街を漁り進んだ。