후리가나로 읽는 일본 고전
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どくガスはつめいかん
毒瓦斯発明官
海野 十三
海野 十三의 毒瓦斯発明官(どくガスはつめいかん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,511자 · 20화면
1
蒸し暑い或る夜のこと、発明王金博士は、袖のながい白服に、大きなヘルメットをかぶって、飾窓をのぞきこんでいた。
南京路の雑沓は、今が真盛りであった。
金博士の視線は、さっきから、飾窓の小棚にのせられてある洋酒の群像に釘づけになっている。いや、正しくいえば、その洋酒の壜にぶら下げられた値段札の数字に釘づけになっていたという方がいいだろう。
「あはは……」
博士がとつぜん声をあげた。これは決して博士が笑ったのではない。実は大歎息をしたのである、あははと……。およそ歎息というものは、感極まってその窮極に達すればあたかも笑声のような音を発するものである。嘘だと思ったら、読者は御自分で験してみられるがよろしかろう。
「あはは、あの味のわるいウィスキーが一壜五百元とは、べら棒な値段じゃ。その昔、重慶相場というのがあったがその上をいく暴価じゃ。同じ五百元でも、こっちのペパミントがいい。こいつを、氷の中に叩きこんで、きゅっきゅっとやると、この殺人的暑さは嵐にあった毒瓦斯の如く逃げてしまうことじゃろうが、それにしても五百元とは高い、今のわしの財政ではなあ」