후리가나로 읽는 일본 고전
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こおりぐらのにかい
氷蔵の二階
宮本 百合子
宮本 百合子의 氷蔵の二階(こおりぐらのにかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,201자 · 37화면
――からりとするためには、南の、往来に面した、大露台の硝子をすかすしかないのだが――。
房は、永年の塵で水色ペンキが皸破(ひびわ)れている手摺越しに、方々押して見た。彼女が力を入れて、指あとの残る棧を引ぱって見ても、肝腎の硝子は動かず、足元のトタン床がベコ、ベコ、鳴るばかりだ。房は、癪に触るやら、おかしいやらであった。この部屋の主人である志野が帰って来る迄は待つより仕様がないらしい。
房は断念して、室に戻った。東の窓下に型ばかりに置いてある一閑張の机に向って坐った。頁の隅々が捲れ上った月おくれの婦女界がたった一冊あった。房は、落付こうと努力しながら、漫然口絵の写真をはぐり始めた。が、どうも背なかの方が気になって机に向っていられない。房は、薄い更紗の坐布団の上でくるりと一廻りし、今度は背中を机に押し当てて坐りなおした。十一畳という、がらんとした室じゅうが彼女の目前に拡った。畳が粗末な琉球表なので、余計のべたらに広く見えるのだ。それにしても、何という貧弱な有様だろう。房は、もう一年もこの室で暮したという志野が、よく我慢出来ると驚いた。壁は、ぼけてよく色も見分けられないようになった花模様の壁紙で張られているのだが、破れたところは破れぱなしであった。