후리가나로 읽는 일본 고전
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えがわらんこ
江川蘭子
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 江川蘭子(えがわらんこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,151자 · 23화면
と云っても、必ずしも彼女の若い母親ばかりの罪ではなかったのだが、先ず第一の不幸は、彼女一家の住宅が、余りに高過ぎた事だ。つまり蘭子は有名な大アパートの七階の一室で生れたのである。「音の恐怖」の代表的なものでは、日に三度、アパートの隣の製菓会社のサイレンが鳴り響いた。蘭子はその怪音から二間とは隔たぬ窓際に寝かされていたのである。
「支持の滅失」の代表的なものは、母親が日に幾度の外出に、彼女を抱いて乗り込む、アパートの高速度リフトであった。その都度蘭子の心臓は、リフトの床と共に、一刹那に百尺の奈落へと落ち込んで行った。
第二の不幸は、彼女の両親が非常に若くて(父は二十三歳母は十八歳であった)はつらつとしていて、感情をおし殺す術に不慣れな為に、絶え間なく無邪気な争闘が行われていたことだ。父と母とはいつもガンガンと怒鳴り合っているか、そうでなければ、歌を唄っていた。歌丈ならいいのだが、若き母のヴァイオリンの伴奏が伴った。それが赤ちゃん蘭子にとって、如何に恐怖すべき音響であったことか。
それでも、合唱はまだ我慢が出来た。悲惨なる赤ちゃんにとっては、それが(如何に狂暴であろうとも)この世での一番なごやかな子守歌に相違なかったのだから。