후리가나로 읽는 일본 고전
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えどのかじゅつ
江戸の火術
野村 胡堂
野村 胡堂의 江戸の火術(えどのかじゅつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,929자 · 36화면
撃ち貫く的の黒星
眼を開くと、近々と寄った喜三郎の片頬、嘲り笑いが渦を巻いて、眼には残忍な光が、地獄の焔を切り取って来たように、キラリと閃めきます。
撃ち貫く的の黒星
「兄上」
たまりかねた繁代、恥も外聞も忘れて飛出しました。犇と縋り付いた兄の手、危うく口火から、火縄を遠ざけるのが精一杯、
「邪魔だッ、――半十郎はお前にも敵の片割れ、其処で見物せい」
ハタと突飛しましたが、必死の力は思いの外強く、繁代は兄の腕を離れなかったのです。
「兄上、それはあんまり、――親同士の怨を忘れ、井上流の大筒と、稲富流の焔硝を併せて、天下の為五貫目玉五十丁撃の大業成就の為、井上様の伝書を奪い取れ、――井上様の火薬は五十丁撃の力は無いが、正面からかけ合っては、稲富流と力を協せるとは言うまい――と仰しゃった兄上のお言葉を誠と思い、恥を忍んで、井上様から伝書を盗み取りました」
繁代の顔――汗と涙に燻蒸して秋の陽に咲いたよう。
「えッ、黙らぬか」
「いえ、それはあんまりでございます、――伝書を奪い取れば、井上様は此処まで縋いて来るに相違ない、其処を誘い入れて、両家の怨を解き、力を協せて五十丁撃の大筒を作り、公儀に願出て、井上稲富両家とも立つように――兄上は仰しゃいました。