일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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さばくのこと

沙漠の古都

国枝 史郎

国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면

아오조라 문고

ラシイヌの心臓は動悸を打ち、その眼は急に見開らかれた。彼は楊柳の蔭へこっそり姿をひそませて、じっと様子を窺った。船中の唄声はやがて絶えて、また四辺は寂静となった。すると今度は反対の岸――二百間あまりもかけ隔てた対岸の方から幽かに幽かに同じ唄声が水を渡ってラシイヌの耳へまで聞こえて来た。やがてその詩も途絶えたが、詩の途絶えた方角から、青色の光がただ一点、闇の中へポッツリ浮かび出た。あたかも人魂が迷うようにその青色の燈の灯は、右に左に静かに動くとまた闇の中へ消えて行った。すると、今度は、彼の足もとの、支那船の中から同じような青色の燈火が浮かび出たが、空中で五、六回揺れた後でそのままフッと消え去った。

「フフン、何かの合図だな」

楊柳の蔭でラシイヌは思わずこのように呟いて尚もそのまま彳んで、支那船の様子を窺った。

すると支那船は動くともなく、幽かに船体を動かした。闇の河面が静かに動いて、一町あまり隔たっている小さい桟橋の方角へ、人眼を忍ぶように辷って行く。

そうして桟橋へ着いた時、船の中にいた支那人どもは、一人一人桟橋へよじ登った。二十人あまりの人影が、墨のように橋の上へ塊まった時、一個の大きな黒い箱が船の中から持ち上げられた。