후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
果然王※は頭巾を脱いでその野望をあらわした。袁皇帝と称えようとした。釜で煮られる湯のように中国はにわかに騒ぎ立ち袁討伐の呪いの声が津々浦々にまで鳴り渡った。国民の輿望を一身に負って袁討伐の征皷を四百余の州に響かせたのは孫文先生その人で、漢の代の王※を滅ぼした劉秀がこの世へ現われたかのように、先生の態度は勇ましく先生の人望は目覚ましかった。
その頃私は名を変じ身分を変え、軽奴となって袁総統宮殿の門衛の一人に住み込んでいた。そうして機会を窺って国と父母の仇を刺そうとした。
ある夜深更のことであった。おりから春の朧月が苑内の樹立や湖を照らし紗の薄衣でも纒ったように大体の景色をたけて見せ、諸所に聳えている宮殿の窓から垂帳を通して零れる燈火が花園の花木を朧ろに染め、苑内のありさまは文字通り全く幻しの園であった。私は詰め所からうかうか出て苑内深く逍遙って行った。あたりは森と静かである。誰も咎める者もない。
「寂々タル孤鶯ハ杏園ニ啼キ、寥々タル一犬ハ桃源ニ吠ユ――」
自分はその時劉長卿の詩を何気なく中音に吟じながら奥へ奥へと歩いて行った。そういえばほんとに花園の中で鶯が寝とぼけて啼いている。