후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
この時、往来の遙か向こうから、酒に酔っているらしい男の声で、詩を唄うのが聞こえて来た。しかもその声は近づくに従って詩の文句がややはっきりと聞き取れた
古木天を侵して日已に沈む
…………
巨魁来巨魁来巨魁来
詩は北京で流行している例の不可解のそれであった。酔漢はその詩を唄いながら、だんだん二人へ近づいて来た。見れば、酔漢は、苦力と見えて、纒った支那服のあちこちに泥が穢ならしく着いている。五十を過ごした老人で、酒に酔った顔は真っ赤である。
「いよう、ご両人お揃いで」
酔った苦力は、男女を見ると、こう頓狂に叫びながら、道の真ん中に突っ立ったものの、別に悪態を吐くでもなく、自分の方で二人を避けて、そのままヒョロヒョロと行き過ぎたが、擦れ違う時に、自分の肩を男の肩へぶっ付けた。
とたんに苦力は囁いた。
「気をつけるがいいぞ張教仁!」
囁かれた男はそれを聞くと、ピクリと体を痙攣させ、そのまま往来へ足を止めた。
「気を付けるがいいぞ、張教仁! 十歩。二十歩。いや三十歩かな……」
苦力はまたも囁いたが、そのままヒョロヒョロと歩いて行く。張教仁は突っ立ったまま苦力の姿を見詰めている。