후리가나로 읽는 일본 고전
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はたのてい
波多野邸
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 波多野邸(はたのてい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,194자 · 45화면
文化研究所だの、新たな政党だの、なにかざわざわした動きが周囲にあるだけで、未亡人たる自分の存在はいつしか忘れられかけてるような淋しさを、彼女はしみじみと感じていた、その中での支柱でも彼はあった。而もこの支柱は甘い砂糖だった――すべてそれらのことは、敗戦の打撃と彼等の属する階級とに根ざしてるものであったが、彼も彼女もそこまで考えなかった。もし考えていたら、二人の関係は単なる社交だけに終っていたかもしれない。
秘蔵のコーヒーにウイスキーを注いで飲み、それから二階の室で書画を見、次いで焼け野原に夕日の沈むのを窓から眺めた。残照が消えてしまった時、二人の肩は相接していた。それをどちらも避けようとしなかった……。その時からのことである。
彼は酒を好きだったし、彼女も少しは嗜んだ。
一度に銚子を二本と、ちょっとした小皿物とを、女中は運んできて、黙ってさがっていった。吉村は眼を細めた。
「嬉しそうね。」と房江は言った。
彼女は気のなさそうに杯を取り上げたが、それを干すと、彼の様子をじっと眺めた。
「あなたは、千枝子さんを好きではありませんでしたの。」
彼は唇をちょっと歪めた。