후리가나로 읽는 일본 고전
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
葉山 嘉樹의 海に生くる人々(うみにいくるひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 161,305자 · 321화면
これは全くいやなことだった。わずか石油罐一杯の水が、それほど重く、それほどいつまでも途中で、ぐずぐずしていなくてもよさそうなものだと思われるのだった。これをつり上げるのが億劫さに、夕方一度便所に水を通すことを怠けると、パイプに一杯の糞が凍りついてしまうのだった。それが凍りついた日には、波田は字義どおりに「糞をつかむ」――船では詰まらない目に合うことを糞をつかむというのであった。
パイプ――直径一尺ぐらいの鉄管は――下水だめが、そのまま凍ったような形において凍るのであった。それが凍った際は、波田は、何よりもまず機関場へおりて行って熱湯をもらって来るのであった。機関場から、おもてまでの距離の遠さよ――、第一、罐場までの上り下りが、大変であった。ことに、熱湯の一杯はいった石油罐をブラ下げて、それを一滴も漏らさないように、もらすと下で火夫がやけどするのだ。そのすべる鉄の油だらけの梯子をのぼらなければならなかった。これは周到な注意と、万全の用意とでなされた。彼は、それだけの作業、バケツを持っておりて、すべらぬようにもらさぬように、のぼって来る、それだけの作業を、夏の土用よりも熱い思いで汗をたらし、罐場を一足出るとすぐに、凍った便所の作業に移らねばならなかった。