후리가나로 읽는 일본 고전
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かいひんそうのさつじん
海浜荘の殺人
山本 周五郎
山本 周五郎의 海浜荘の殺人(かいひんそうのさつじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,672자 · 18화면
しかし志津子には、老子爵の言葉がよくは分らなかった。高野千之はまだしも、他の三人はだらしの無いうえに乱暴者で、中学時代には警察の厄介になった事さえあるような連中だ。
――あたし油断しないわ。
とひそかに決心していたのである。
高野千之が去ると、志津子は急いで化粧を済まして祖父の部屋へ入って行った。――老子爵は安楽椅子に深々と掛けて、新着の仏蘭西雑誌を読んでいた。
「お祖父さま、御機嫌はいかが?」
「うん、有難う、――」
老子爵は振返って、
「たいそう綺麗だね、海へ行くのかい」
「ええ、このケープ新調なのよ」
「よく似合うよ、どれ其方へ向いてごらん。おお実に綺麗だ。不良共がさぞ吃驚することだろう」
「厭だわ、お祖父さま」
「まあ早く行っておいで、――ああ些っとお待ち、済まないがまさやに葡萄酒を出さして置いて貰おうかね」
「あら珍しいこと、召上りますの?」
「昨日からばかに具合が好いんだ。足台も片付けさせたし、久し振に一杯味わってみようと思う」
「嬉しいわ、直ぐそう云って来ましょう」
「酒蔵の鍵は苅田の部屋にある」
「そう云えば苅田はまだ帰りませんのね」
執事の苅田平吉は、岡山市にいる兄が急病だという電報で、三日まえに岡山へ帰ったが、もう戻らなければならぬ筈なのである、――老子爵は卓子の上を見やって云った。