후리가나로 읽는 일본 고전
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かいじんにいのる
海神に祈る
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 海神に祈る(かいじんにいのる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,486자 · 26화면
「それに殿様も、此の普請を御心配なされて、昨日、御微行でお成りになったから、今日は此処へ御検分にお成りになる。それで皆も気をいれかえて、新らしい気もちになってかかれ、決して其の方たちにお咎めはない、お咎めがあれば拙者じゃ」
人夫たちの眼は活いきとした。権兵衛は軍扇を揮った。
「それでは、かかれ、かかれ」
人夫たちはわっと歓声をあげながら、勇みたって下へおりて往った。総之丞はじめ五六人の下僚が来ていた。総之丞は前へ出た。
「一木殿お疲れでございましょう、さあ、どうぞお食事を」
「飯は後でええ、此処をかたづけてくれ」
そこで総之丞はじめ下僚は幔幕を畳み、祭壇の始末をはじめた。権兵衛は釜礁の方を見おろしていた。
釜礁の方には、もうどっかんどっかんの音が盛に起っていた。それに交ってじゃりじゃりじゃりと砂を掘る音も聞えて来た。笊と簣の群はまた蟻のように陸へ往来をはじめた。
空には何時の間にか鰯雲が出て、それが網の目のように行当岬の方へ流れていた。その時釜礁の方に当って歓声があがった。それは仕事の上の喜びにあがった歓声のようであった。権兵衛はじっと眼を見すえた。石を砕く音がやんで、其処には数人の者が手をあげて、はしゃいでいるのが見られた。