일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぼうふううにおわったいちにち

清風荘事件 他8編

松本 泰

松本 泰의 清風荘事件 他8編(ぼうふううにおわったいちにち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,532자 · 43화면

아오조라 문고

宝沢の伯父は入り代わり立ち代わる客から一銭ずつ銅貨を取っている。それが蓄音器であった。

宝沢は中学三年のときに不意に学校をやめて、伊東とも友達のだれかれとも消息を絶ってしまった。

二度目に伊東が宝沢と顔を合わしたときは、それから十年経っていたある年の大晦日の晩で、長い学校生活を終わった伊東の数人の仲間が京橋のビヤホールで何軒目かの梯子酒をやっているときだった。酔い痴れて店をよろけ出ていった仲間の一人は川っ縁に倒れているし、もう一人は何人の存在にも無関心で犬の真似をしてテーブルの下を這い回っていた。ふと伊東が顔を上げると、隅のテーブルで目を据えながらビールのコップを並べているのが宝沢であった。彼は黒っぽい洋服を着て、下は巻ゲートルに裸足足袋を履いていた。

「北海道のほうを回り歩いていた。妹が自殺をしたので後始末をしてきた。きみは大学を出て月給でも取るようになったか……」

などと宝沢は言った。それから何分経ったか何十分経ったか、伊東の目の前にさっとビールが飛んできた。彼は敏捷に身を躱したので、ちょうど床から立ち上がった友人が伊東の代わりにすっかりビールを被ってしまった。