후리가나로 읽는 일본 고전
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しぶやけのしそ
渋谷家の始祖
宮本 百合子
宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면
けれども、少くとも、彼女は、自分が、どんな傾向を持った人間であるかということだけは、透視しているのだ。
自分の持つ色、あまり美くしくない混濁色、その色に纏まって立つ自分に若し、何か、批評の材料を与えれば、その批評は、直ちに、批評という域を踰(こ)えたものになり得べきことを、尚子夫人は見抜いて、それを未然に防ごうとするのだ、と正隆は考えを廻らしたのである。そう思うと、正隆は、尚子夫人の目前で、よろしい、といった時通りの気分ではいられなくなって来た。何かもっと拗(すね)た、濃厚な上気(のぼ)せたような好奇心とも、敵愾心とも区別のつきかねる気分が、彼のよろしいという返事を、片端しから、噛み潰し始めたのである。
正隆は、それだけの用心を編み出した尚子夫人の心を想うと、思わず唇を引歪めた。不思議な心持である。平常は、何の注意も払われない、無干渉な存在ともいわるべき自分が、今は尚子夫人の最も顕かな目標となっているのだ。何の目標か、それは鮮明でない。用心の目標なのか、或はまた、助力を求めようとする目標なのか、正隆は、少くとも、彼女と、自分とが、僅かでも、同じ標準(レベル)に向い合った二つの焦点となったことに、いい知れぬ、喜びと、同時の有力を感ぜずにはいられないのである。