후리가나로 읽는 일본 고전
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わたりどり
渡り鳥
太宰 治의 渡り鳥(わたりどり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,707자 · 14화면
の出鱈目では無いが、裏でちょいちょい闇商売などに参画しているらしいので、ふところは、割にあたたかの模様である。
「音楽は、モオツアルトだけですね。」
お世辞の失敗を取りかえそうとして、山名先生のモオツアルト礼讃の或る小論文を思い出し、おそるおそるひとりごとみたいに呟いて先生におもねる。
「そうとばかりも言えないが、……」
しめた! 少しご機嫌が直って来たようだ。賭けてもいい、この先生の、外套の襟の蔭の頬が、ゆるんだに違いない。
青年は図に乗り、
「近代音楽の堕落は、僕は、ベートーヴェンあたりからはじまっていると思うのです。音楽が人間の生活に向き合って対決を迫るとは、邪道だと思うんです。音楽の本質は、あくまでも生活の伴奏であるべきだと思うんです。僕は今夜、久し振りにモオツアルトを聞き、音楽とは、こんなものだとつくづく、……」
「僕は、ここから乗るがね。」
有楽町駅である。
「ああ、そうですか、失礼しました。今夜は、先生とお話が出来て、うれしかったです。」
ズボンのポケットに両手を突っ込んだまま、青年は、軽くお辞儀をして、先生と別れ、くるりと廻れ右をして銀座のほうに向う。