후리가나로 읽는 일본 고전
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こんとんみぶん
渾沌未分
岡本 かの子
岡本 かの子의 渾沌未分(こんとんみぶん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,232자 · 33화면
小初は、跳ね込み台の櫓の上板に立ち上った。腕を額に翳して、空の雲気を見廻した。軽く矩形に擡げた右の上側はココア色に日焦けしている。腕の裏側から脇の下へかけては、さかなの背と腹との関係のように、急に白く柔くなって、何代も都会の土に住み一性分の水を呑んで系図を保った人間だけが持つ冴えて緻密な凄みと執拗な鞣性を含んでいる。やや下ぶくれで唇が小さく咲いて出たような天女型の美貌だが、額にかざした腕の陰影が顔の上半をかげらせ大きな尻下りの眼が少し野獣じみて光った。
額に翳した右の手先と、左の腰盤に当てた左の手首の釣合いが、いつも天候を気にしている職業人のみがする男型のポーズを小初にとらせた。中柄で肉の締っているこの女水泳教師の薄い水着下の腹輪の肉はまだ充分発達しない寂しさを見せてはいるが、腰の骨盤は蜂型にやや大きい。そこに母性的の威容と逞ましい闘志とを潜ましている。
蒼空は培養硝子を上から冠せたように張り切ったまま、温気を籠らせ、界隈一面の青蘆の洲はところどころ弱々しく戦いている。ほんの局部的な風である。大たい鬱結した暑気の天地だ。荒川放水路が北方から東南へ向けまず二筋になり、葛西川橋の下から一本の大幅の動きとなって、河口を海へ融かしている。