후리가나로 읽는 일본 고전
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 湖畔亭事件(こはんていじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 69,335자 · 137화면
私は彼とは、浴場の中だとか、湖の畔だとかで、二三度あったのに過ぎませんが、彼も又私の様に、どちらかといえば憂鬱な方らしく、いつの時もボンヤリと一つ所を見つめているのを見かけました。ふとしたことから話し合って見たのですが、お互の性格にはどっか似通った所がありました。人に混ってお喋りするよりは、一人で物思いに沈んでいる、或いは書物などを読み耽っている。私は彼のそんな所に、何となく好意を感じました。しかし、彼は私の様ないわばニヒリストではなく、人間相互の関係について、何かの理想を抱いている様に見えました。そしてそれは決してひとりよがりなユートピアを夢みているのではなくて、もっと着実な、(従って社会的には危険な)実行的なものの様に思われました。兎も角変り者に相違ないのです。
彼は又、職業や物質の方面でも、私とは大分違っていました。彼の専門は洋画家で、風采などから考えても決して富裕な階級に属する人ではなく、彼の口ぶりでは、画を売ながら、こうして旅行をしているらしい様子です。宿の部屋なども、彼のは廊下の隅っこの一番不便な場所があてがわれてありました。何が引つけるのか、彼はこれまで屡々このH山中へやって来たらしく、その辺の事情にはよく通じていました。