후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆもとのあき
湯元の秋
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 湯元の秋(ゆもとのあき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,549자 · 6화면
小さな番人小屋の入口には、一人の女が日向に坐って小児に乳をやっていた。その側を通っている一筋の道が、平原の真中を真直に横ぎっていた。その道に沿って一軒の茶店の藁屋根が、遠く野の中に見られた。
私はそれらの景色をただぼんやり眺めた。かの牧牛者等の生活が如何なるものであろうと、また、かの茶店の老女の生活が如何なるものであろうと、それは彼等が自然の一要素としての役目をこの高原で演じていることを少しも妨げなかった。「都会からの遊客は、田舎の人々を単に自然の一要素として見るに馴れている、そしてなぜにそうなったのか?」そういう問いは凡て無益なことであった。私自身も亦自然のうちの一個のものにすぎないではないか。
道がその野中に歩み入ると、高い雑草が私の足を呑み込んでしまう。草を藉いて仰向に寝転ぶと、直接に私の上に空がある、高原で見らるるすぐ手に取らるるような低い空が、秋の澄み切った冷やかな空が。そして私の下にはすぐ大地がある、草木を枯らしまた芽ぐます黒い土地が。顧ると、小さな甲虫が私の顔のすぐ側に這い出している。じっとしていると、それは私の着物に這いつき、肌に這いよってくる。