후리가나로 읽는 일본 고전
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
夏目 漱石의 満韓ところどころ(まんかんところどころ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,601자 · 148화면
しかしたった一つ覚えているものがある。それは女の穿いた靴の片足である。地が繻子で、色は薄鼠であった。その他の手投弾や、鉄条網や、魚形水雷や、偽造の大砲は、ただ単なる言葉になって、今は頭の底に判然残っていないが、この一足の靴だけは色と云い、形と云い、いつなん時でも意志の起り次第鮮に思い浮べる事ができる。
戦争後ある露西亜の士官がこの陳列所一覧のためわざわざ旅順まで来た事がある。その時彼はこの靴を一目観て非常に驚いたそうだ。そうしてA君に、これは自分の妻の穿いていたものであると云って聞かしたそうだ。この小さな白い華奢な靴の所有者は、戦争の際に死んでしまったのか、またはいまだに生存しているものか、その点はつい聞き洩らした。
二十四
今までは白馬を着けた佐藤の馬車に澄まして乗っていたが、山へかかるや否や、例の泥だらけの掘出しものの中へ放り込まれてしまった。とうてい普通の馬車では上がれないと云うんだからやむをえない。それでも露西亜人だけあって、眼にあまる山のことごとくに砲台を構えて、その砲台のことごとくに、馬車を駆って頂辺まで登れるような広い路をつけたのは感心ですとA君が語られる。