후리가나로 읽는 일본 고전
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
山本 周五郎의 滝口(たきぐち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 49,815자 · 99화면
前を塞がれて、安宅は立停り、相手を見やった。芳村は硬ばった顔で、にっと微笑しながら片手を振った。
「あの炭屋の角を左へはいったところです、往来の者などに聞かれたくない話でしてね」
安宅はまだ相手の顔をみつめていた。
「仮にあなたが不承知でも」芳村は微笑を湛えたままで云った、「今夜の私はあとへひきませんよ」
安宅は芳村から眼をはなして、空を見あげ、町の左右を眺めてから、僅かに頷いた。芳村はどうぞお先にと云って道をひらき、安宅はあるきだした。降りそびれたためか気温が低く、道に積もった薄雪は、踏みしめる草履の下でかすかにきしんだ。芳村のいう炭屋の角を左に曲ると、かなり広い空地がひらけている、安宅はゆっくりそっちへはいっていった。
「私はあなたに忠告した」うしろからついて来ながら云った、「あなたは忠告をきくべきだった」
「おれのためにか、それとも自分のためにか」
「あなたのためにです」
芳村はそう云った瞬間に、うしろから安宅の背へ抜打ちをかけた。安宅は背中に危険を感じ、大きく跳んで振り返ると、芳村が二の太刀を打ちこんで来た。安宅はすばやく右へまわりながら抜き合わせたが、右足の踵でなにかを踏み外し、躯の重心を失ってしりもちをついた。