후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスI――初期短編集(しょうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,319자 · 84화면
これをお父様に見せて云っつけてやるから覚えておいで」
恨めしそうに涙ぐみながら、姉は縮緬の裾をまくって、真っ白な右脚の脛に印せられた痣の痕を見せた。丁度膝頭のあたりからふくら脛へかけて、血管が青く透いて見える薄い柔かい肌の上を、紫の斑点がぼかしたように傷々しく濁染んでいる。
「云っつけるなら勝手においいつけ。けちんぼ/\」
信一は人形を足で滅茶々々に蹴倒して、
「お庭へ行って遊ぼう」
と、私を連れて其処を飛び出してしまった。
「姉さん、泣いて居るか知ら」
戸外へ出ると、気の毒なような悲しいような気持になって私は尋ねた。
「泣いたっていゝんだよ。毎日喧嘩して泣かしてやるんだ。姉さんたって彼れはお妾の子なんだもの」
こんな生意気な口をきいて、信一は西洋館と日本館の間にある欅や榎の大木の蔭へ歩いて行った。其処は繁茂した老樹の枝がこんもりと日を遮って、じめ/\した地面には青苔が一面に生え、暗い肌寒い気流が二人の襟元へしみ入るようであった。大方古井戸の跡でもあろう、沼とも池とも附かない濁った水溜りがあって、水草が緑青のように浮いて居る。二人は其の滸へ腰を下ろして、湿っぽい土の匂いを嗅ぎながらぼんやり足を投げ出して居ると、何処からともなく幽玄な、微妙な奏楽の響きが洩れて来た。