후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 潤一郎ラビリンスI――初期短編集(しょうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,319자 · 84화면
纔かに膝頭に届いて居る短いお納戸の裳裾の下は、靴足袋も纒わぬ石膏のような素足に肉色の床靴を穿き、溢れるようにこぼれかゝる黒髪を両肩へすべらせて、油絵の通りの腕環に頸飾りを着け、胸から腰のまわりへかけて肌を犇と緊めつけた衣の下にはしなやかな筋肉の微動するのが見えて居る。
「栄ちゃん」
と、牡丹の花弁を啣んだような紅い唇をふるわせた一刹那、私は始めて、彼の油絵が光子の肖像畫である事に気が付いた。
「………先刻からお前の来るのを待って居たんだよ」
こう云って、光子は脅やかすようにじり/\側へ歩み寄った。何とも云えぬ甘い香が私の心を擽ぐって眼の前に紅い霞がちら/\する。
「光ちゃん一人なの?」
私は救いを求めるような声で、おず/\尋ねた。何故今夜に限って洋服を着て居るのか、真っ暗な隣りの部屋には何があるのか、まだいろ/\聞いて見たい事はあっても喉佛につかえて居て容易に口へは出て来ない。
「仙吉に会わせて上げるから、あたしと一緒に此方へおいでな」
光子に手頸を把られて、俄かにガタガタ顫え出しながら、
「あの蛇は本当に動いて居るんじゃないか知ら」
と、気懸りで堪らなくなって私は尋ねた。