후리가나로 읽는 일본 고전
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면
縁側には春の陽が差し入り、雀の影を映している。極めて静かに時が経って行く。しかし一刻、一刻何の変りもありはしない。突然、どこかで電話のベルが鳴り響いているように、私は錯覚する。昨日、娘の嗚咽の声を聞いて以来、その声は私の胸の中にも潜んでいるようである。そうしてともすると私の声となって、込み上げて来そうになるのを、私はじっと堪えている。
その翌日、妻は私、三男、長女と、同僚の岡さんに伴われ、築地の癌研附属病院に入院する。
しかし妻は至って元気である。入院手続を初め、総て自分の手ですませ、先頭に立って、昼食をとりに行くという。勿論、虚勢もある。自分自身に対する虚勢である。しかし肉体の苦痛を全く感じないからでもあろう。
銀座の有名な鮓屋へ入る。妻は健啖振りを示す。私はあまり食欲がない。それをごまかすように、ビールばかり飲む。岡さんと別れ、病室へ帰って来ても、妻はなかなか寝台へ上ろうとしない。が、看護婦が来て、脈を取り、熱を計る。更に体重を計量するため、看護婦室へ来るように言われ、妻はやっと寝巻に替えた。
私は森岡外科部長のところへ挨拶に行く。部長は大きな目で私を直視して言う。