일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면

아오조라 문고

花井夫人は仰向けに臥したまま、淋しげに微笑した。

翌翌日、午後一時五分、妻は手術室に入った。私は廊下の椅子に腰かけている。午後になると、外来患者の数は少くなり、廊下は急に閑散になる。私が腰かけている椅子の横に、担架を載せた患者運送車が置いてある。その上には妻の寝巻が裏側を拡げて、敷いてある。人の身に纏うものは、不思議にその人の風情を移しているものである。私の視線はともするとその方へ向おうとする。

築地の病院で、妻が最初の手術を受けた時にも、私はこのように椅子に腰かけていた。しかし今の私の感情は、その時のようには高ぶっていないつもりである。少し横着な言い方かも知れないが、私は時間潰しにもなると思って、先刻の不思議な妻の心理を思い返してみる。

先刻、妻は看護婦に附きそわれ、手術室の控室に入った。直ぐ看護婦に促され、妻は着物を脱ぎ、上半身裸になった。その時、自分から白ネルの腰巻に手をかけ、妻が言ったのである。

「これも取るのでしょうか」

妻の着物を抱え、看護婦の後に立っていた私は、瞬間、少からず驚かされたものである。あの時、何故妻はあんなことを言ったのであろうか。