후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
永井 荷風의 濹東綺譚(ぼくとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,666자 · 114화면
四
戸外には人の足音と共に「ちょいとちょいと」と呼ぶ声が聞え出した。
「歇んだようだ。また近い中に出て来よう。」
「きっと入らっしゃいね。昼間でも居ます。」
女はわたくしが上着をきかけるのを見て、後へ廻り襟を折返しながら肩越しに頬を摺付けて、「きっとよ。」
「何て云う家だ。ここは。」
「今、名刺あげるわ。」
靴をはいている間に、女は小窓の下に置いた物の中から三味線のバチの形に切った名刺を出してくれた。見ると寺島町七丁目六十一番地(二部)安藤まさ方雪子。
「さよなら。」
「まっすぐにお帰んなさい。」
四
小説「失踪」の一節
吾妻橋のまん中ごろと覚しい欄干に身を倚せ、種田順平は松屋の時計を眺めては来かかる人影に気をつけている。女給のすみ子が店をしまってからわざわざ廻り道をして来るのを待合しているのである。
橋の上には円タクの外電車もバスももう通っていなかったが、二三日前から俄の暑さに、シャツ一枚で涼んでいるものもあり、包をかかえて帰りをいそぐ女給らしい女の往き来もまだ途絶えずにいる。種田は今夜すみ子の泊っているアパートに行き、それからゆっくり行末の目当を定めるつもりなので、行った先で、女がどうなるものやら、そんな事は更に考えもせず、又考える余裕もない。