후리가나로 읽는 일본 고전
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ひをてんず
火を点ず
小川 未明
小川 未明의 火を点ず(ひをてんず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,105자 · 9화면
少年は、一歩退いて、目を細くして、雲切れのした秋の空を仰いでいました。
「また、油の値が上がったんですね。」と、女房はいいました。
「また、上がりました。」と、男は答えながら、五勺のますにほとんど過不足なく平らかに石油を満たして漏斗にわけました。そして、もう一杯入れるために、また、杓子を石油に差し入れました。
「こんなに石油が高くなっては、夜もうっかり長く起きていられない。」と、女房はいいました。
その言葉の調子には、こう値が上がったら、どんなに石油を売るものはもうかるだろうというように聞かれたのです。
「卸問屋のほうで値を上げるのですから、こうして売る私どもは、やはりもうからないのです。」
無口な男は、いいわけをするように、ただこれだけいいました。
女房は、こういったら、半杓ぐらい最後に、おまけを入れてくれるだろうかと、目をさらにして、じっと見ていたのですが、男は、やはり巧妙とでもいうように、過不足なく平らかにますに入れて漏斗に移すと、それぎりでした。
女は、むしろ男が早く漏斗を入れ物の口から抜いたので、青味を帯んだ、美しいしずくがまだ残っていて、かえってますに移されたのだけ損をしたような気すら起こったのです。