후리가나로 읽는 일본 고전
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むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
菊池 寛의 無名作家の日記(むめいさっかのにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,441자 · 43화면
この男の書いたものを一行も読んでいないから、この男の創作の質については一言もいわないが、六百枚、千五百枚という量からいって、この男は何かの偉さを持っているに違いない。が、あの男はその次にこんなことをいった。
「僕は小説家の林田草人を知っている。あれは僕の国の先輩だ。今度文科へ入るについて、わざわざ上京してあの人と会ってきたのだ。快く会ってくれた上に、ばかに話がはずんでね。よく話の分かる人だよ。今度書き上げた百五十枚の小説も、実はあの人のところへ送っておくつもりだ。多分どこかへ、推薦してくれるから」
俺は佐竹君をかなり尊敬し始めたが、これを聞くと少しこの人が気の毒に思われた。ただ同県人で一面識しかない林田草人を頼りにして、澄ましておられるこの人の呑気さが、少し淋しかった。まったく無名の作家たる佐竹君の百五十枚の小説を、林田氏の紹介によっておいそれと引き受ける雑誌が中央の文壇にあるだろうか、また門弟でもなんでもない佐竹君のものを、林田氏が気を入れて推薦するだろうか? あの人は、投書家からいろいろな原稿を、読まされるのに飽ききっているはずだ。こんな当てにならないことを当てにして、すぐにも華々しい初舞台ができるように思っている佐竹君の世間見ずが、俺は少し気の毒になった。