후리가나로 읽는 일본 고전
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むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
菊池 寛의 無名作家の日記(むめいさっかのにっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,441자 · 43화면
昔から今まで、天分の誤算のために、身を誤った無名の芸術家が幾人いたことだろう。一人のシェークスピアが栄えた背後に、幾人の群小戯曲家が、無価値な、滅ぶるにきまっている戯曲を、書き続けたことだろう。一人のゲーテが、ドイツ全土の賞賛に浸っている脚下に、幾人の無名詩人が、平凡な詩作に耽ったことだろう。無名に終った芸術家は、作曲家にもあっただろう。俳優にも無数にあっただろう。一人の天才が選ばれるためには、多くの無名の芸術家が、その足下に埋草となっているのだ。無名の芸術家でも、その芸術的向上心において、芸術的良心において、決して天才の士に劣っているわけはないのだ。彼らの欠点はただひとつである。それは彼らの天分が、どんなに磨きを掛けても輝かない鉛か銅であることだ。
こう考えてくると、俺は堪らなく自分が嫌になる。俺は、どうして創作家になることを志したのだろうか。どうして文学を志したのだろう。それを考えると、俺はいつも、自分のばからしさに愛想が尽きる。俺が文科を選んだのは、文学者崇拝という他愛もない少年時代の感情に支配されていたに過ぎなかった。もう一つ原因はあったっけ。