후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶらいはうたず
無頼は討たず
山本 周五郎
山本 周五郎의 無頼は討たず(ぶらいはうたず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,446자 · 23화면
「えらく人徳のある人だそうだね」
「それがおまえ様、先月の七日に人手にかかって殺されなすっただ」
「へえ――そいつは初耳だ」
韮崎の佐貫屋庄兵衛と云えば、近在二郡の繩張を持つ立派な貸元であった。
庄兵衛は気風も良し金も切れ、おまけに徳性で子分の面倒をよく見てやったから、百人あまりの身内も出来て押しも押されぬ顔役になっていたが、早くから、
「やくざはおれ一代きりだ」
と云って、一人息子の半太郎は十五の年に江戸の太物問屋へ奉公に出してしまった。
この庄兵衛と、盃を飲み分けた弟分で、「鼻猪之」と云われる博奕打がいた。猪之助という名だが鼻が大きいので、鼻猪之――ひどく気の荒い本性からの無頼気質であったが、お信という娘が一人ある。これが親に似ぬ縹緻よしのうえに気性も優しい出来者で、猪之助はこれを庄兵衛のところの半太郎と末は夫婦にしようと考えてもいたし、また庄兵衛とも話のひまには軽い口約束をしてあった。――ところが庄兵衛の方では半太郎が十五になるとぽんと、江戸の太物問屋へ奉公にやってしまった。
「――冗談じゃねえ」
猪之助はひどく気色を悪くした、「佐貫屋の大事な跡目をどうなさるんだ、あっしゃあお信を商人の嫁にする積りはありませんぜ」