후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
」
が、答える先に、千浪の眼は、部屋の隅に置いてある一つのまあたらしいつづら笠に止まった。
山でかぶる葛籠笠。
千浪は、見るみる顔をかがやかして、
「まあ! では、いよいよ江戸へ発ちますことに決まりましたんでございますか。」
でも、三人旅に笠が一つとは――?
大次郎が、にこやかに答えていた。
「いや、わたくし一人です。ぜひ今夜のうちに三国ヶ嶽へ登る用がありまして、今、宿の者に命じてその笠を取り寄せましたので――。」
女鹿男鹿
それから数刻の後。
膳部を下げた藤屋の二階には、江戸ものには珍しい丸行燈のともし灯をなかに、法外、大次郎、千浪の三人が、五徳の脚形に三つにひらいて坐っていた。
山の庄屋のやしきをそのままに、旅籠とはいっても、なんの手も入れてない八畳の座敷だ。
年代の山の霧に黒ずんだ建具に、燈りが、赧茶けた畳の目を照らして、法外老人の大きな影法師を、床の間から壁へかけて黒ぐろと倒している。
「ほほう。すると、七年目ごとにその三人が、この三国ヶ嶽の頂上で落ち合って、その後の身のありさまを語りあおうと言うのじゃな。ふふむ、そりゃおおいに面白いぞ。