후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
灰色の雲の去来。それが、起伏する連峰をひと刷けに押し包んで、山肌に、ところどころ陽が照っている――明方の日照り雨。
雨は、まだ降っているのだ。お山荒れは、どうやら納まったらしいが、こまかい糠雨が、山をひとつに抱いて、しとしと、しとしと、と。
それに、時どき、風さえ横なぐりに――神社のまえの三角地の中央に、高さ一尺ほどの三角形の石が立っている。
三国ヶ嶽国境の石なので、三角の面に、それぞれの方角へ向けて甲斐の国、するがの国、相模の国と彫ってある。
いつの時代、何人の置いたものか、石は、千古の三国荒れに揉まれ抜いて三角の角は摩滅し、青苔が蒸して、彫ってある文字も定かではないが、三つの国は三つの線を描いて、この石のところで出合っているわけ。
お社の、格子づくりの扉をぴったり閉じ、奉納の絵馬の一つふたつ――黙念として春風秋雨の七年間、この今朝の三人の会合を待っていたかのように。
約束の場所である。伴大次郎と、江上佐助と有森利七と。
起誓の三角石である。七年前に別れる時も、大次郎はこの石に腰うちかけて若い二人の友と話し込んだものだった。銘めい葛籠笠を引きつけて――。