후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
自然は、変らない。人事は走馬燈のように、あわただしく移りかわるが。
七年の歳月は、当年二十歳の三人を二十七にし、伴大次郎を法外流の名誉、下谷の小鬼に変えた。そして今は、あの、この三里下の山腹、あみだ沢の藤屋に自分の帰りを待ち焦れているであろう千浪様というものを有つ身である。
だが。
変らないのは、石と木と草と、神社だけではない。
大次郎もあのときと同じに、この国標の三角石に腰を据えて――七年のあいだ、ちっとも変らなかった景色に見える。
待っているのだ。煩悩の他のふたつ、金と女を追って七年。前に下山した佐助と利七を――。
来るかな? と思う。
来る! くるにきまっている!
と大次郎が、小雨を相手に独り言を洩らした時、勘治村、道士川と越えてくる甲斐すじの登り口から、りょうりょうと一節の、何の煩悩もないような今時花恋慕流しの唄声が、上がって来た。
「君は五月雨
思わせぶりや
いとど焦るる
身は浮き舟の――。」
おんな崩れ
「いとど焦るる
身はうき舟の
浪に揺られて
島磯千鳥
れんれ、れれつれ
れんれ、れれつれ。」
灯の艶めかしい、江戸の花街で聞く恋慕流しを、この深山の奥で――大次郎は耳を疑いながら、弾かれたように三角石を離れて、神社の横の甲斐口へ向い、両手で声を囲んで、