후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
女とも見紛うた、ふくよかな美しい顔に、額部と言わず頬と言わず、ふかい刀痕が十字乱れに刻まれて、まるで打ち砕かれた鬼瓦のよう――とは、大次郎、知らないのである。
が、いくらか察してはいるらしい。
「繃帯を取ったとて、鏡を見るとは言わぬぞ。」
「あれ、またあんなことを――では、おとりいたします。」
もう、仕方がない。床の上に起き上っている大次郎の背後に廻って、膝を突いた千浪、観念して布の結び目を解きにかかると、
「待て。待ってくれ、千浪。」悲痛な大次郎の声で、「拙者の顔がどう変っておろうとも、大次郎を想ってくれるそなたの心にかわりはあるまいな。」
千浪は一生懸命に、
「なにをおっしゃります。千浪は、遊び女ではござりませぬ。お顔によって、つくす誠に違いがございましょうか。なんという情ないお言葉――。」
「よし! その口を忘れるな。解け!」
顫える千浪の手で、繃帯は、ひと巻き二まき、ほごされてゆく。
やがて、眼の上の凄い刀痕が、ちらと見えてきた。
大次郎は、つと手を上げて千浪の手を押さえて、
「ま、待て――待て、千浪! もう一度訊く。拙者の顔がどんなになっておろうと、そちのまごころは変らぬであろうな?」