후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
林 不忘의 煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,705자 · 173화면
八方の人家、富士のすがた、日本六十四州からのお上りさんは、都へ来ると、誰しも、まず第一にこの橋を渡る。西のほうには千代田城の雄壮な眺め、物見の高殿、東の岸には、まるで万里の長城の酒庫の白壁がならび、そのむこうは眼もはるかに人家の海――。
日本橋と言えば魚河岸。
魚がしといえば日本橋。
川のうえの魚ぶねは、その苫を魚鱗のように列ねて、橋桁の下も、また賑やかな街をつくっている。
雑沓を極める橋の上の往来。
諸侯の行列にはいくつとなく長柄の槍が立って、さながら移動する林のようである。武士、町人、諸職、僧侶、男、女、こども、さまざまの車と、駕籠乗物、下駄の音が秋空にひびいて、切れ目もなくあわただしい。
近海物の魚を積んで、船は躍るようにはいって来る。河幅が狭いから、その混雑はたいへんなもので。
おもかじ!
とりかじ!
どなりあう声、声、声――。
橋の前後、新場町と小田原町に、毎朝うお市場が立つ。
なまぐさい風が橋を撫でて、この二十七間、日本橋の南の袂は高札場、ちょうど蔵屋敷、砥石店の前である。
「大次様! 大次郎さま――。」
ひき裂くような声に呼びとめられて、大次郎は、ゆっくりと振り返った。